小沢和佳子(おざわわかこ) / 2000年卒業

卒業後の進路:
2004年女子美術大学芸術学部芸術学科卒
平成15年度女子美術大学優秀卒業論文賞受賞
学芸員資格取得
2004年~2007年森美術館学芸部パブリックプログラムにて教育普及プログラムに携わる
2009年11月 玉川大学教育学部教育学科通信教育課程において司書資格取得
2007年~図書館勤務
現在は国立新美術館アートライブラリーにて司書を勤める
現在の仕事:
勤務場所は国立新美術館(港区六本木)3Fのアートライブラリーにて美術司書をしています。アートライブラリーとは、美術資料室または美術図書室と言われ、美術に関わる資料(美術参考図書、美術全集、美術書、デザイン、建築、写真、メディアアート、美術団体資料、国内外の美術雑誌、展覧会カタログ)を収集・保存・管理をし、利用者の方へご提供する施設です。簡単に説明するならば、普通の図書館の美術版といったところです。
しかし、皆さんが普段利用されている校内の図書館や近所の図書館と大きく異なる点が1点あります。それは、貸出を行っていないということです。
何故なら、他ではなかなか見ることの出来ない貴重な資料が多くあるからです。
この様な資料を調査・研究の為に探し求めて来室される方も日々多くいらっしゃいます。例えば「陶芸の本が見たい」、「目玉の描かれている絵がみたい」、「誰が描いた絵か分からないけれど、《ぶらんこ》という絵がみたい。」という様な質問を1日にいくつも受けます。そうした際に一緒に資料をお探しするお手伝いをして差し上げます。図書館用語ではこうしたことを“レファレンス"と言うのですが、私の仕事の1つとしてこの“レファレンス"業務が挙げられます。その他新しい資料を書架に並べたり、棚が乱れていないか、請求記号順にきちんと並んでいるか、等という仕事も毎日しています。中でも最も大変な業務はレファレンスです。アートライブラリーなので当然美術についての質問しかされません。どんな質問に対しても的確に利用者の方のサポ←トが出来る様、国内外の美術参考図書を日々手に取り、自分の引き出しの数を増やすように勉強をしています。
中高時代:
私は小学校から高校まで12年間を横浜英和で学び、高校時代では新聞部で活動をしていました。卒業後は美大へと進学をしたのですが、実は高校時代に美術の授業は選択せず、美術部にも入部をせず美大受験の為のアトリエへも通っておらず、絵画ではなく文章を書く新聞部に属していました。何故?と思う方も多いかもしれませんが、卒業後この新聞部で得た文章力が、大学での卒業論文や司書の仕事をする上で、とても役に立っていると実感しています。
中高の生活がどのように現在の生活や仕事に役立っているか:
英和で学んだ12年間を通して自然と身に付いたこと、それは校訓でもある「心を清め人に仕えよJということだと感じています。何故なら、現在の美術司書を務める中で“常に利用者の方の立場になって考えてみる"ということが最も重要なことだ、と実感しているからです。
美術について調べられている方、作品を探されている方、作家について調べてらっしゃる方、様々な目的を持って利用者の方はライブラリーへいらっしゃいます。また地域の図書館では資料や情報が見つからず、最終的な拠り所として来られる方も少なくありません。そうした際に、利用者の方が最も求めていることは何なのか、どうして知りたいのか、といった常に相手の立場になって考えてみると、自然と利用者の方ともコミニュケーションが生まれ一緒に解決することが出来るからです。
中にはとても難しい質問を受けることもあります。しかし、自分には分からないから無理だ、と苦手意識を持ってしまうのでは無く、常に相手の立場になって考えることが大切だと思います。そうすることにより、逆にこれまで自分には無かった知識が1つ1つと増えていくからです。
皆さんは分からないことがある時に、図書館の人にお聞きすることがあると思います。図書館の人に聞けば分かる、教えてくれる、そう思って尋ねる方も多いと思いますが、司書はパソコンでは無く人間なので、中には分からないこともあります。しかし、そういう時にいかに前向きで謙虚な自分でいられるか、ということがとでも重要になるのです。
司書の仕事をする中で感じていることは、実は教えられているのは私たち司書の側ではないのか、ということです。年齢は関係ありません、いくつになっても生涯勉強、前向きで謙虚な気持ちがあれば、人は成長していけるのだと、英和での生活を通して日々実感をしています。