【6ー7月 園長だより】

2026.06.15

——「あらわして」と「おもしろい」——

恵みの雨が、木々やあじさいを美しく潤す季節を迎えました。新しい環境に少しずつ慣れてきた子どもたちは、今、それぞれの学年で素晴らしい心の育ちを見せてくれています。
幼稚園という社会の中で、子どもたちがどのように自分を「あらわし」ているのか、そして「おもしろさ」に出会い、どのような「平和」を紡ぎ出しているのか。今月の暗唱聖句である「平和を実現する人々は幸いである」(マタイによる福音書 5章9節)の御言葉に耳を傾けながら、最近の朝の登園風景から生まれた、温かいエピソードをご紹介いたしましょう。

「大丈夫だよ」の一言がもたらす平和
疲れが出やすいこの時期、朝の幼稚園の玄関では、お家の方と離れるのがちょっぴり寂しくて、涙がこぼれてしまう年少組の子どもの姿があります。
ある日は、年長組の女の子がそっとかがみ込み、目線を合わせて「一緒に行こう。お部屋までついて行ってあげるからね。」と優しく語りかけました。年長さんの温かいまなざしに包まれて安心した年少さんは、小さな手をしっかりとお姉さんの手に預け、歩幅を合わせて、二人でゆっくりと階段を上がっていきました。
この穏やかな光景に胸が熱くなりましたし、年長さんをこのように優しく頼もしく成長させてくださった神さまに、心から感謝をしたひとときでした。
小さな子の気持ちを理解し、そっと寄り添い、安心を届けること。この年長児の優しい行動こそが、まさに「平和の作り手」の姿そのものだと感じます。

安心のその先に生まれることは・・・?
自分の心を素直に「あらわし」、相手の「おもしろい」も共に喜び、相手の思いも聞き入れて、互いを尊び合うこと。この小さな歩みの積み重ねが、子どもたちの心の根っこを育てていきます。時にはぶつかり合うこともありますが、それも互いの思いを知り、譲り合い許し合うための大切なプロセスです。
保護者の皆様が、日頃からご家庭で子どもたちの楽しい姿だけでなく、涙や葛藤、甘えたい気持ちも含めた「ありのままのすべて」を丸ごと受け止めてくださっているからこそ、子どもたちは園でも安心してその翼を広げることができています。これからも、ご家庭と園とがしっかりと手を携え、子どもたちの喜怒哀楽のすべてを愛おしみながら、共に大切に育んでまいりましょう。
そうして「自分らしく過ごせる安心感」に満たされて初めて、子どもたちは友達と深く遊び込み、集団のルールも自然と理解していくようになります。

一人ひとりの歩みの上に、神様の豊かな祝福と平和がありますようお祈りいたします。

園長 岡田直美