【6~7月 園長だより】

2021.06.21

心ゆくまで

 

少し緊張気味の4月から、メキメキと自分らしさを発揮してきた5月。そして6月の園庭での様子を見てみると・・・。

年少組では、どろんこ(走ってきて、泥水にビシャンとジャンプして入るので私は警戒中・・)、泥団子までいかない泥にぎり、バイク、虫探し、兄弟姉妹ペアでの遊びが流行中。

年中組では、教師を筆頭に大掛かりな川をつくるどろんこ、というよりも工事!泥団子、虫探し、お花摘みが流行っている様子。

年長組では、逃走中(鬼ごっこですね。時代が変わり名称変更)、虫探し、泥団子、秘かな人気は鉄棒。

こんな遊びが主流ですが、知る人ぞ知る遊び。それは・・。園長先生と両手をつなぎ、高くジャンプさせてもらうこと!園長先生が園庭に出ると、列ができ順番待ちをしているんです。

毎日同じように見える遊びの繰り返しの中で、子どもたちはどんな発見をし、どんなことに心を動かして遊んでいるのでしょう。

ジーっとワラジムシを見ていたひとりの年少さん。怖いのか落ち葉でツンツンつついています。なんで丸まらないのかなぁ、と思っている様子。少しして見にいくと、さっきとはちょっとだけ違う場所でまだツンツン。でもそこには年長さんが一緒にいて、「ワラジムシはね・・。」の説明中。その説明をうなずきながら聞いている年少さん。

年少さんの「なんで丸まらないんだろう?」という無言の疑問を感じ取り、「あのね」とワラジムシとダンゴムシの違いを説明し、ダンゴムシの魅力を力説し、ダンゴムシを年少さんの手にのせてあげようとしていました。が、無言で怖がる年少さんの様子を見て、走って砂場のコップを持ってきて、そのコップにダンゴムシを入れてプレゼント。ニコッと笑ってプレゼントを受け取り、そのあとも二人でダンゴムシ探しをしていました。翌日も、翌々日も。

ダンゴムシが共通項の二人が、「どこに隠れているんだろうね?」「あっちに行ってみよう。」「ここにいるかもしれないよ。」と話すそこには、二人の穏やかな交わりと、さがすことを心ゆくまで楽しんでいる姿があり、ここに時間割にとらわれない幼稚園教育の醍醐味があります。

スケジュールで管理されてばかりいるのではなく、自分の興味に向き合えること。一方的に出される課題や宿題ばかりでなく、興味があることを自分で深めていくこと。幼児期のその体験が、その子の探求心を育んでいくのです。大人はそこに、そっと、寄り添いたいものですね。

主任  岡田直美