【6~7月 園長だより】

2022.06.15

「あらわすことの大切さ」

                                                

 水無月の候となり、むしむしとした梅雨の訪れを感じる頃となりました。 

 さて、この時期の幼稚園の保育の目標は、「あらわすことの大切さ」です。自分の考えや思いを相手に伝えることを生活の中から学んでいきます。

 預かり保育組「子羊クラブ」でのことです。

 3時のおやつの時間になろうとしていました。

 「皆はこれからおやつの時間ですか、いいね」と預かり保育の皆に話しかけると、皆はにこにこしていました。

 私はその場を離れて、園庭にいると、一人の子羊クラブの幼児が、

 「園長先生、おいでよ、一緒におやつを食べよう」と誘いに来てくれたのです。

 喜んで保育室に行くと、皆がテーブルに2人づつ、きちんと座って待っていてくれたのです。ある男の子が、「僕の隣りだよ」、と椅子を引いてくれたのに先ず驚きました。いつもの同じ学年の子どもどうしの時とは違う何かを感じたのでした。

テーブルには色紙の上に、ビスケットと歌舞伎揚げが載っていました。どちらも直径2センチくらいの小さなおやつが二個でした。

 ある年長の子どもの、では「手を洗いましょう」という声で、水道の前に何人かが並びました。すると、一人の女の子が「園長先生、先にどうぞと」と順番を譲ろうと声をかけてくれました。驚きながら感謝を込めて、ではあなたの後に並ぶからねと、言葉を返しました。

 年少と年中と年長の子どもたちが互いを見ながら倣いながら学び、相手を気遣う気持ちを自然な生活の中であらわすことができるようになっている姿をまざまざとみて、一人一人の育ちに感動した日でした。

 自分の気持ちを表す、それも相手に対する自然な気遣いを表すことができる子供たちを誇らしく思っています。

            

                                               園長 磯貝曉成