【5~6月 園長だより】

2023.05.12

 

                  挨拶ができる

            「朝の出会いのひと時」

 

 咲き誇っていた花々も終わり、万緑に染められた山々がわさわさと胎動しだしました。

 さて、年少組の皆さんも少し幼稚園になれてきたでしょうか。幼稚園の朝の出会いは、挨拶から始まっていきます。家族の中だけで生活していたこれまでの世界から家族以外の人たちとの出会いが日々始まったのですから、誰にとっても新しい生活はストレスを生み出します。そのストレスの解消もまた、自分の居場所を広げてくれるきっかけとなっていくのです。

 自分の靴の履き替えは自分で行えること、そして相手を見ながら挨拶が自分からできること、この二つのことをスマートにできることが幼稚園での第一歩です。

 年中・年長になると、人の話が聞けるかどうかが重要です。関心のあることなら聞けるけれど、関心のないことだと聞けなくなってしまうのは、誰にもありがちですが、徐々にできるようになりますから、焦らないことです。

 指示されたことが指示通りにできるかどうか、このことはクラスを越えた縦割りの生活の中で行うと、それぞれ違いが大きく見えてきます。弟や妹は、お兄さんやお姉さんのやっていることを自分もできるようになりたいと自然に思うのでしょうか、縦割りの生活では俄然自分も同じようにできるようになりたいという意欲が大きくなってきます。一人でできない子どもには、年長のできる子どもが傍に寄り添って、「もう少しだよ」と声をかけているのをしばしば見かけます。教えるのは教師ではなく、子どもたちの中から自然に生まれてくる「共に生きる高まり」がある幼稚園って素敵だと思います。

 

 別な話ですが、先日、NHKの番組「ダーウィンがやってきた」で植物の本当の姿として、キャベツの花はどんな花か、見たことのある人はいませんかと問いかけていました。キャベツの本当の姿を、数か月かけてカメラが追いかけました。花が咲いて、種を宿す。

 実は、子どもたちが種から植えたモンシロチョウ用のキャベツを育てていたのですが、その内の2株のキャベツが打ち捨てられて残っていました。そこから花の茎が出てきて菜の花に似た黄色の花が咲いたのでした。初め何かと驚きました。ゆうに1m50㎝位にもなっていました。花の後、暫くすると細いさやに種ができていたのです。このことを、早速子どもたちに話して、種を取り、その種を今度は子どもたちと一緒に育てることにしました。楽しみ、楽しみ。

                                                           学院長・園長 磯貝 曉成