【6~7月 園長だより】

2023.06.01

 

「自由遊びに育つ一人ひとりの思い」

 

 

 4月から始まった幼稚園での生活は、早や2か月が過ぎました。

 家庭という守られた場から新しい外の世界である幼稚園での生活が始まったのでした。

 

 さて今年度から年少組、年中組そして年長組のそれぞれの希望する保護者の方と『園長との時間』と題してプログラムを持つことにしました。一年で各組に4回から5回程度の開催予定です。5月29日(月)には年少組の第2回目を終えました。どんなことを話しているのかについて少し書いてみます。

新しい幼稚園という場所で、子どもたちは生活のリズムをどのように受け止めているのでしょうか。朝の登園時の様子を見ていてこんなことを感じました。あいさつをして勢いよく自分の教室に行く者もいれば、なかなか母親と別れがたい子どももいます。でもわたくしが毎日見ていると、誰もが着実に自立へと育っているのは間違いありません。親として遅い早いに心を騒がせることはありません。子どもたちは自分のペースで、行きつ戻りつしながらも前に進んでいます。時にお母さんに甘えてぐずっていても、年長のお姉さんが、ゆっくりとその子に合わせながら、教室への歩みを導いているのをみると、幼稚園での「兄弟姉妹」の触れ合いはとても大切であり、大きな成長を生み出していることに気づかされます。

 一人っ子の生活では経験できないことが、幼稚園では多くの同年齢の子どもたちとの出

会いの中で生まれているのです。そしてその中で、教師でも親でもない、年中、年長のお

兄さんやお姉さんとの出会いが大きな成長のきっかけを生み出しているのを目の当たりに

します。

 年少から年中そして年長への三年間における成長は驚くばかりです。一人ひとりが内に

秘めて持っている心、その子どもらしさが対人関係の中で育っているのでした。そのきっ

かけを作っている年長さんの成長に驚きを感じるばかりです。

 保護者の皆さんもまた子どもたち以上に「親」として、大きく育っていきたいものです。

教師もまた子どもたちとの出会いを通して大きく豊かに変えられていくのです。

 目線(見方)の違う様々な人との関わりが大切なことがお分かりいただけたと思います。メールやラインでの情報の交換だけでなく、実際に顔を合わせながら話してみると、自分だけではない、誰もが悩みながら一つ一つの出来事と向き合っていることに気づくはずです。自分だけが心配になり悩んでいるのではないのだと知ると、子どもへの接し方にも少し余裕が出てきます。

 

 次回の話は、物語を聴く力をどのように育むかについて触れたいと思っています。  

「言語力を育むカリキュラム」 『いつもいっしょ』こんのひとみ作 いもとようこ絵 金の星社

 

学院長・園長 磯貝 曉成