2018.09.05号

【夏休み活動報告】YWCA

 YWCAでは毎年夏休みに、他校のYWCA部員とともに、カンファレンスという研修旅行をしています。今年も、フェリス女学院・青山学院・横浜共立学園・捜真女学校・女子学院・静岡英和・山梨英和の計8校で、ハンセン病について理解を深める研修をしました。本校からは高校生3名が参加しました。

 今回のカンファレンスの舞台となったのは群馬県の草津です。温泉地として有名ですが、昔から草津の温泉は病気(特に皮膚病)に効能があるとされ、古くからハンセン病の患者が集まる場所でした。しかし当初はハンセン病の患者も、地元の住民や一般の旅行客と一緒に居住していました。しかし、明治20年、病気の人が町にいると草津町の発展が阻害されるとして、草津町はハンセン病の患者を町外れの「湯之澤集落」に移住させる措置をとります。そこで、当時充分な医療も教育も受けられなかったハンセン病の患者のために立ち上がったのがイギリスからの宣教師コンウォール・リーでした。彼女は50歳で来日し、ハンセン病患者の救済事業「聖バルナバ・ミッション」を展開しました。ハンセン病患者のために尽力したリー女史は「リーかあさん」と呼ばれ慕われました。しかし当時日本は国策としてハンセン病患者の強制隔離を進めていました。全国的に「無らい県運動」が展開される中で、リー女史の活動も停止させられ、湯之澤地区のハンセン病患者は国立療養所である「栗生楽泉園」に収容されました。

 カンファレンス2日目、私たちは「栗生楽泉園」を訪れました。栗生楽泉園の園内にはところどころに公衆電話がありました。園内で急に具合が悪くなったときに職員さんに通じる内線電話なのだそうです。また、園内のところどころで音楽も流れていました。これは、ハンセン病の患者さんは失明されている方もいらっしゃるため、音で場所がわかるようにするためということでした。以前はハンセン病はおそろしい感染症と考えられ、患者は病気であることがわかると強制的に療養所に送られました。アメリカで特効薬「プロミン」が開発されて、ハンセン病は治る病気になり、現在は発症しても外来で治療する病気になっています。病気は治っているにも関わらず、なぜ今でも栗生楽泉園で生活されている方がいらっしゃるのかというと、いまだ社会の中で差別が残っていることや、高齢化や後遺症のために日常生活をするのに難しさがあったりするためです。また、入園されている方の中には、子どものときからずっと療養所の中で生活されてきた方も多く、ご家族と連絡が取れなかったりして、法律や制度が変わったからといって簡単に社会復帰することができないという事情もあります。そして、ひときわ印象に残っているのが「重監房資料館」です。戦前、栗生楽泉園の敷地内には「特別病室」と呼ばれる建物がありました。しかし「病室」とは名ばかりで、療養所の中で特に反抗的とされた患者に重い罰を与えるための、言わば「刑務所」でした。狭い部屋で、小さな穴からわずかな光が入るだけ、食事も非常に粗末で、マイナス20度にもなる極寒に耐える生活。まさに人権蹂躙の極みとも言うべき現実に向き合い、私たちは言葉が出ませんでした。社会の中に誤った認識や差別・偏見があったために、そして明らかに不当な国策のために、“一人の人間が自由に自分らしく生きる”という当然の権利が侵害された―という事実を、私たちは一人一人受け止めました。その日の夜、私たちは今日感じたことをそれぞれ分かち合いました。

私たちは今回の経験を生かすとともに、今回学んだことを発信していきたいと思います。今年のシオン祭(文化祭)では、カンファレンスで学んだことも展示する予定ですので、シオン祭にお越しの際はどうぞYWCAの部屋にお立ち寄りください。

写真は、コンウォール・リー女史の胸像、栗生楽泉園内の小学校跡・教会等です。

(文:顧問)

【夏休み活動報告】茶道部

朝から75分間の補講を多い人は3コマ受け、お昼を食べて午後から練習がスタート。まずは全員で帛紗さばきを30分間行います。「稽古とは一より習ひ十を知り十よりかへるもとのその一」という教えを忘れずに、丁寧で美しい所作になるように基本を繰り返します。その後は各学年に分かれます。京都市左京区黒谷にある金戒光明寺塔頭西翁院にある茶室「澱看の席」の写しの小間では、5年生が向切のお点前。広間では4年生が御園棚での立礼、3年生が吉野棚を使った薄茶点前。さらに3年生は、茶箱を使った和敬点に初めて挑戦しています。2年生は薄茶運び点前、1年生は水屋からお抹茶やお菓子を運びながら、立ち居振る舞いを学びました。この夏休みの練習で、生徒たちはグングン成長しています。(文・顧問)

 

国内ミニ留学を行いました。

今年も8月20日から22日までの3日間、校内で「国内ミニ留学」が行われ、中学1・2年生約70名が参加しました。3日間すべて外国人講師による英語のみの授業で「考え」「話し」「書く」力を総合的に伸ばすための内容でした。外国人講師に自分の英語が通じるたび、それが喜びとなり、さらに「英語をもっと学びたい!」という強い気持ちにつながったのではないかと思います。最終日には生徒全員が英語でのプレゼンテーションを行い、修了証が配布されました。