大阪・関西万博開幕

2025.05.01

中村 貞雄

 4月13日、大阪・関西万博が、大阪の人工島・夢洲(ゆめしま)で開幕しました。大規模な万博の国内開催は、2005年の愛知万博以来20年ぶりとなります。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、10月13日まで開かれ、2820万人の来場者を見込んでいます。158の国・地域が一堂に会し、未来を想像させる最先端技術や独自文化を披露。持続可能な社会の在り方を探る万博となっています。 万博会場は、世界最大級の木造建築物である1周約2kmの大屋根リングが中心部を囲み「多様でありながら、一つ」の理念を体現しています。海外・国内のパピリオンはもちろんですが、目玉の1つは著名文化人8人が手がける8つのテーマ館。また次世代の移動手段「空飛ぶクルマ」のデモフライトなどもあり、とても興味深く楽しみな万博になっています。 開幕の前日、12日の開会式でのあいさつは、次のようでした。石破首相「世界の人々が対話し、交流する舞台を提供する。新しい日本の姿を世界に発信していく」。吉村大阪府知事「明日から6カ月間、世界が一つとなる」。世界博覧会事務局長「世界で対話と協力が重要になっている今、全人類のための未来を創造しよう」。天皇陛下「世界の人々が、自分自身だけでなく、周りの人々の『いのち』を尊重して、持続する未来を共に創り上げていくことを希望する」と述べています。 開催が決まった2018年から約6年たちますが、2020年からのコロナ禍で多くの人が命を落とし、国内外で行き来ができなくなることを経験し、2022年にはロシアがウクライナに侵攻、23年にガザでイスラエルとの紛争が起きています。さらに大国アメリカは、自国第一主義の政策をおし進めています。世界が分断の危機にある中で、各国が万博をつながりの機会として捉えているのなら、テーマの重要性が6年前以上に増しているようにも感じます。 万博は、異文化理解や国際社会とのかかわりを高めるいいチャンスです。子ども達がたくさん刺激を受け、自分の将来に夢を持って国際的に活躍するきっかけになればと期待しています。