中村 貞雄
先月の「小学校だより」で、自分で考える力を養うためには、夢中になれる「自分の好き」を見つけことであり、子どもの好奇心を揺さぶるのは、「遊び」特に「外遊び」だとお伝えしました。
こういった経験の有無(目に見えない力)が、中学生、高校生、大人になってからも、困難に直面したときの対応力に影響してくると私は考えています。ところが、最近の小学生は勉強やゲームに忙しくて、外遊びをしない子が増えたといいます。まあ、外遊びができる環境が減ったことも事実です。子ども達が接することのできる世界、体験できることの範囲が狭くなり、好奇心を発揮する機会が減ってしまっているのではないかと危惧しています。
知識を蓄えることはとても大切なことです。しかし、与えられた知識を遮二無二詰め込むだけでは「楽しさ」がありません。そういった勉強の仕方では意欲が生まれにくく、すぐに限界に達してしまいます。学びに対するモチベーションの根底には「知識を得ることの喜び」が必要です。親に言われたから、先生に言われたから覚えるのではなく、自分から知識を増やすことができたときの嬉しさの経験が大きく作用します。
外遊びの機会が減ってしまった今、親(学校)にできることは、とにかくいろいろなことを体験させて、世界を広げてやることです。旅行に行ったり、博物館や美術館を訪れたり、さまざまなスポーツやアウトドア活動に取り組むといったことは、もちろん子どもに大きな刺激を与えます。そこで芽生えた好奇心の芽を大切に育んでやりましょう。親から見ていると「そんなことにばかり夢中になって」とか「見ていてハラハラする」といったこともあるかもしれません。でも、子ども達に、自分の興味から自分の行動を考え実行していく経験をできるだけ多く持たせてあげられたらと思っています。
2025年度後期が始まりました。後期の学校生活も様々な生活が待っています。学校でも家庭でも子ども達の好奇心の芽を大切に育み、世界を広げてあげたいものです。