中村 貞雄
4月の全校保護者会で「認知能力」と「非認知能力」のことを話した際、「非認知能力」を育てるものとして「読書」が最適なので是非ご家庭でも1日15分でも20分でも読書タイムを作ってください、とお願いしました。なぜ読書なのか。『読書する脳(毛内拡 著、SB新書)』の本から、脳科学の知見から読書のメカニズムをお伝えします。
現在の子ども達の読書習慣については、小学校1年生から高校3年生までの約半数が平日に全く読書をせず、成人の約6割が月に一冊も本を読まないという統計的データーがあります。本当に「読書離れ」の時代になっているのです。一方、青少年教育研究センターが2021年に実施した調査によると、子どもの頃の読書経験が、成人後の意識や非認知能力、さらに認知能力(特に「脳の作業台と言われるワーキングメモリー」)に与える影響が検証されていて、子ども時代に多くの読書経験を積んだ人ほど良好な成績を示し、極めて重要な影響を与えているという結果が得られています。
紙の本は読まないが、SNSやインターネット記事の活字には日常的に触れている、と言う人も多いと思います。しかし、デジタルデバイスを用いた情報消費では、脳が常に何かを処理し続けなければならない情報過多の中にいます。紙媒体で五感をフル活用して本と向き合う「没入体験」こそが、実は内容の深い理解や記憶の定着を助けてくれることが、脳科学的にも明らかになっているのです。
子ども達が楽しみにしている夏休みです。今から予定を立てているご家庭も多いと思いますが、今年の夏休みには紙媒体での読書を増やし、「じっくり考える力」や「深く読み解く力」を意識的に取り入れる夏休みはいかがでしょうか。大人もスマホを置いて子どもと一緒に読書をしてみましょう。読書、楽しいですよ。
どうぞ、健康に気をつけて良い夏休みをお過ごしください。