新しい年を迎えて

2025.01.06

中村 貞雄 

 

 2025年の新しい年を迎えました。今年1年が皆様にとって素晴らしい年となるようお祈りしています。2024年度の学校生活も残り約3か月となりますが、よろしくお願いします。

 ところで皆さんは、ふるさと納税を利用していますか。2023年度の寄付額は1兆円を突破し、1000万人を超える人が利用しています。地域を応援し、支えるというのが制度の原点。開始から16年たった今、改めて意義と問題点を考えてみたいと思います。

 ふるさと納税を利用する理由として、お礼の返礼品をもらうことが、地域経済の活性化につながり地域の事業者への応援になると考える人が約8割。住民税が控除されると考えている人も約6割います。ただ返礼品目的の利用も多く、仲介サイトに人気返礼品ランキングがあるため、自治体間の返礼品競争も激しく「地方の応援」という制度の趣旨とずれている実態があります。また、高収入者ほど利用枠が大きい仕組みになっていて、高収入者の節税に使われている面もあります。他の自治体に流れた額が増えるほど、住居地の自治体の財源が圧迫され、行政サービスに影響しかねません。ちなみに実質的な財源流出が多い全国の自治体上位には、横浜市と川崎市が入っています。

 最近では、応援したい地域とさまざまな形でかかわる「関係人口」を広げる取り組みもあります。宿泊や農業、釣りなどの体験型返礼品は、現地に足を運んで時間を過ごすことで地域への愛着を生み、飲食や買い物で経済波及効果もあります。また能登半島地震では、返礼品なしのふるさと納税で寄付をする人も多かったようです。

 2025年の新しい年を迎え心も新たに、横浜英和学院の校訓「心を清め 人に仕えよ」が、皆様の生活の中でも生かされたら幸いです。本年もよろしくお願いします。