中村 貞雄
4月の「小学校だより」に、子ども時代にこそ「やりたい」を大切に、自分の責任で自由に遊ぶことも必要な事だとお伝えしました。
困難に直面したときに、「何とか乗り越える方法はないか」と立ち向かっていこうとする子どもと、ただただ困難に打ちのめされてしまう子どもに二分されます。二者の違いは、「自分で考える力」を持っているかどうかだと言われています。「自分で考える」という経験が不足していると、困難に直面したときや困難が予想されるときに、行動を起こすことができません。小さいうちは親や教師のサポートによって何とかなりますが、成長し、自分の夢に向かっていく道のりの中では、そういった支援を受けられるとは限りません。自分で何とかする力が必要です。
では、「自分で考える力」を養うために小学生のうちにやっておくべきことは何か。私は「自分の好き」を見つけ、夢中になることだと思っています。人は誰しも好きなことには積極的に取り組みます。しかも簡単に満足しません。誰かから指示を受けなくても、「あれもやってみよう。これも試してみたい」と発想を広げます。たとえなかなかうまくいかなくても、そう簡単にあきらめたりはしないでしょう。考えに考えて、解決策を見つけるはずです。
本来、小学生くらいの子どもは、好奇心の塊です。子どもの好奇心を最も揺さぶるのは、「遊び」ではないかと思います。特に「外遊び」です。土に触れ、草木に触れ、昆虫に触れ、走って転んで泥だらけになること。そして、友達と遊ぶことも大切です。他者との交わりは、子どもの世界を広げ、「自分が知らないことがまだまだたくさんあるんだ」ということに気づかせてくれます。自分よりもうまくできる子をリスペクトするという素直な気持ちが成長に結びつきます。
夏休みも終わり、今月で2025年度の半分、前期が終了します。前期の学校生活はいかがだったでしょうか。担任との面談を通して前期を振り返り、学校との信頼関係の中で後期もより良い学校生活ができるよう願っています。